「懐紙」というものがあります。
茶道を嗜まれている方はご存知でしょう。
文字通り、懐に携帯するもので現代でいうティッシュやメモ用紙、敷き紙・ポチ袋として使える万能アイテムです。
現代では吸水性があるものや水に耐性をもったもの、色形も様々でファッション性豊かです。
ところで此の懐紙を仏事追善の祭壇で用いているのを見たことがあると思います。
高坏やお盆に紙を敷いて其の上にお供え物を据えている場面です。
多くは半紙などを懐紙として使用していますが折り方があるので紹介しておきたいと思います。
例えば半紙だと裏表がハッキリしています。これを半分に折って使うのですがざらざらした裏面を合わせて折ります。
そうするとどちらも表になります。
紙は製法上どうしても裏表ができてしまいます。
ティッシュがどちらの面もツルツルしてるのは二枚の紙を裏面同士で合わせているからどちらも表なのです。
さて、半分に折るとは言っても端と端を合わせた二つ折りにはしません。
三角形風に折ります。
半紙は正方形ではないので四角形のような三角形が二つ重なる形になります。
そして図の様に二つの三角形の右側が上になる場合が祝儀用、左側を上にすると不祝儀用となります。
相手に差し上げる場合は、三角形の頂点が自分に向くようにしてお供え物を乗せます。
図だと上下逆になります。
追善供養では何回忌まで不祝儀にするか難しいです。
成仏に向かってると思えば祝儀になるでしょうか。
寺報260号から転載