寺報コラムから

二酸化炭素排出

 「持続可能な◯◯]は今や一般に染み渡っている。
 更に、省エネ・低電力化・高効率化を目指して技術進歩もあるだろう。
 二酸化炭素の排出削減にも精が出る。
 ところで、人の火葬では一回につき約200キログラムの二酸化炭素を排出するそうだ。
 意外にも多い。
 普通乗用車が凡そ1500キロ走行した時に排出する量に匹敵する計算になる。
 自然界の野生動物は死ぬと小動物や昆虫に食され残りは腐敗して土になっていく。
 日本も昔は土葬が残っていた。
 日本の火葬の歴史は六世紀まで遡るそうな。
 お釈迦さまが火葬であった事が広まった理由と言われている。
 また、墓地の問題もあり次第に火葬が主流になって行った。
 今は特別な理由がない限り大体火葬だが土葬が出来ない訳ではない。
 しかしながら制約が多く公衆衛生の面からも許可を貰えない事が多い。
 昨今、火葬による二酸化炭素排出量が注目され、遺体を堆肥化する埋葬法が出てきた。
 「テラメーション」と呼ばれる此の埋葬法は遺体を有機物に分解し完全に土に還すことを目的にしていて極めて環境にやさしいのが特徴である。
 およそ一か月から50日で堆肥化するらしい。
 野生動物の場合はその死体は分解され自然界に戻って循環する。
 人は火葬でその循環を持たず二酸化炭素排出量も多い。
 新たな埋葬法は環境にも優しいと注目されている。
 まぁ此れは海外の話で将来の日本で普及していくは分からない。
 第一に、広大な埋葬公園が必要だから。

寺報259号から転載