昔、中国では、生まれた赤ちゃんに乳を与える前に、
○酢をなめさせる
○次に、塩を舐めさせる
○次に、にがい薬を舐めさせる
○トゲのあるカズラを舐めさせる
○最後に、砂糖を舐めさせる
という「五香の儀式」を行なったという。
この世に生まれ出た赤ちゃんに、人生は「酸っぱく」「辛く」「苦く」「痛い目」に会わなければ、甘いものにはありつけない事を身を持って体験させたのである。
現代なら「乳児虐待」とか言い出すかもしれませんが、今もこの習慣が残っているとしたら素晴らしい事であると思います。
なにしろ世の中には〇〇ハラというのがゴマンとある。
それに、不条理な世の中なのだ。
痛い目に遭った時に辛抱する力を身に付けておき、その後に正す知恵を持っておくことが世渡りには必要かもしれない。
今の食生活をみていると、常日頃から美味しいもの、贅沢なものを食べている。
だから、正月になっても何もご馳走はない。
いつもと同じものを食べることになってしまう。
仕事の面においても、下積み生活がないので、困難な仕事にぶつかると簡単に挫折してしまう。
何事についても、嫌な事・辛いことから対処することが大切なのかもね。
寺報247号から転載