久世に赴いた際に、法立の浅島助七が導師を勤めるのを見て「法立が導師をしても別に問題ないのだな」と思った。
機会があったので助七の真似しただけに過ぎないというのが宗順の証言であった。
当然、調査は浅島助七に及び、取り調べが行われた。
助七は次のように弁明したという。
「法中から授与された自分のお曼荼羅ご本尊を掲げ、看経講の時に其れを礼拝しただけで導師はしていない。
宗順の誤解だ」と。
まぁ法立の宗順が導師をしたのは間違いない。
簡単に言えば、お坊さんでない者がお坊さんの真似をしてお講の看経を勤めたということ。
これはその場に居合わせた内信者から疑義が出るのは当たり前で、これは改悔が必要だ。
助七に関しては「導師はしていない」と言っているので、誤解を招く作法があったにせよ、問題にはならないだろうと思われた。
要は「法立が導師を勤めるのはご法度」は暗黙の了解だったのだ。
寺報第259号から転載