不受不施の話(48

身池対論(2

 『~我が身延山に対し、みだりに暴言を加えている。
 つまり、  「身延山の前住日乾が千僧供養を受けて謗法を犯した。
 その改悔もせず、身延の住職となった。
 それ故、身延山は謗法の地となってしまった。
 もし、身延に参詣すれば、参拝の者も同じように謗法を犯したことになり、阿鼻地獄に墜ちるであろう。
 よって参詣を停止し、供養を停留すべきである。」

 そして、同じことを手紙に著わして諸国に回覧させている。
 また、公衆の面前では、「速やかに身延山を滅却しなければならない」と説き回っている。
 事情を知らない人たちは、その言動に驚き、困惑し、身延山が本当に謗法の地に堕ちたのか、それとも、彼らの言っていることが嘘なのか半信半疑に陥っている。
 これによって宗門が衰退の憂き目に遭い、次第に勢いを失って行く様を国中の門徒が悲しみ、この事態に驚くばかりでいる。』

寺報第202号から転載