『~我が身延山に対し、みだりに暴言を加えている。
つまり、
「身延山の前住日乾が千僧供養を受けて謗法を犯した。
その改悔もせず、身延の住職となった。
それ故、身延山は謗法の地となってしまった。
もし、身延に参詣すれば、参拝の者も同じように謗法を犯したことになり、阿鼻地獄に墜ちるであろう。
よって参詣を停止し、供養を停留すべきである。」
そして、同じことを手紙に著わして諸国に回覧させている。
また、公衆の面前では、「速やかに身延山を滅却しなければならない」と説き回っている。
事情を知らない人たちは、その言動に驚き、困惑し、身延山が本当に謗法の地に堕ちたのか、それとも、彼らの言っていることが嘘なのか半信半疑に陥っている。
これによって宗門が衰退の憂き目に遭い、次第に勢いを失って行く様を国中の門徒が悲しみ、この事態に驚くばかりでいる。』
寺報第202号から転載