回向とは何ですか?
回向は廻向とも書き、文字通り「めぐらし、さしむける」という意味です。自分の行った「善なる功徳」というものを自分または他人に向けて、仏道に向かいやすくすることをエコウと言います。 生活と仏教とを結ぶ重要な行為で、しかも何時でも何処ででも出来るもので、法事の専売特許ではありません。 仏教では、仏前に佳い香りの線香や焼香、美しい花と燈明(ローソク)を供え、お経を読んで、回向の手続きを採ります。 このような形式を採りはしますが、その功徳を廻らし指し向けるのは、言うまでもなくその人の真心であり願い心なのです。 ところで、経典(お経)を読んだ後で、最後に回向文を読みますが、真言や天台、禅宗、日蓮に於いては、 『願以此功徳、普及於一切、我等与衆生、皆共成仏道』 「願わくば此の功徳を以て、普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に、仏道を成ぜんことを」 の一文を用いますが、この文は法華経の第三章・化城喩品の中にある有名な文なのです。 他宗にも、それぞれ数種の回向文が用いられ、長短さまざまですが、その趣旨はまったく同じであります。 2007.4.18_UP |