対話
法事などで簡単な法話をすることがあるが、例えば「この世で一番大切なもの」という話をしたところ…、「そのような事は考えたことがない」 と言われたことがありました。 しかし、若い時それも思春期がなかった人はいない筈だし、その時代には誰しも「人生とは?」「生きるとは?」「人間とは?」という純粋で素朴な疑問を抱いたことがあったのではないでしょうか。 それらの疑問を真面目に考え、答えを求めた経験を持ったはずだと思うのだが…。 ただ、残念なことには、それらの疑問に対して解答が得られぬまま時間が経ち、解決されぬまま社会へと入り、仕事に追われるようになっては、それらの疑問も忘れてしまった人がほとんどであろうか。 本来ならば、こういった根本的とも云うべき疑問は、一生をかけても問い続け、解答を求め続けなければならない重大な問題だと思うのだが………。 そのような事が分かったって、暮らしが楽になる訳じゃないし、だいいち答えなんかある筈ないじゃないか」 〜と言われる人もあるに違いない。 青春時代に、純粋で無垢な気持ちで問い続けた疑問。 それを問うことを放棄した理由は各自あるだろうが、問うことを放棄したと同時に純粋な心も捨てていないか。 今、自問自答してみたい。 2007.4.17_UP |