羅什による訳・妙法蓮華経は中国仏教界にどのような影響を与えたのでしょうか。
お釈迦さまの最高の心を伝えたのが法華経です。それが羅什の名訳によって、いっそう読みやすくなり、人々の心を強く打ったことは容易に想像できるでしょう。 法華経の教えをさらに深く追求する注釈書、研究書のたぐいが、この妙法蓮華経をもとにしてつくられていきました。 特に、天台大師といわれる智(538〜597)は、釈尊の教えを「法華経を中心として見る」という仏教史観を確立し、法華経の説く思想を深くほりさげ、深遠な仏教哲学を展開しました。 現代日本でも、法華経を研究する人、だれもがこの智の法華経研究を試みています。 |