寺報コラムから

日ニチ日ニチ是コレ好コウ日ジツ

 新年を迎えて気持ちも新たに色々なことに取り組んでみようと思っている人も多いと思います。
 何に取り組むにしても大切なのは毎日の生活基盤です。そしてそれは億劫なほど毎日毎日同じことの繰り返しです。
 掃除洗濯食事~きっと飽きている人もいるのではないでしょうか?
 何で毎日同じことをしなきゃいけないのか。
少しは変わったことが起きないかなぁと。
 でも、だからといって掃除洗濯を止める訳にはいかない。
 まぁ何日分かまとめてする手もありますが、それとて繰り返しの連続に違いありません。
 仮に毎日が過去とは違った何かが起きるなら、その対処に右往左往することになりそうです。
 刺激があって楽しいかもしれませんが、過去に経験した事がないトラブルの連続ともなれば、これは大変疲れることになりそうです。

 表題の「日日是好日」、実は禅語でありまして、九世紀から十世紀の中国禅師・雲門文偃ウンモンブンエンの語録です。
 「今日も一日よい日でありますように」と私たちも祈るし、そういう意味もあるけれど、何せ禅語ですから深い意味も込められていそうすね。
 平々凡々、毎日同じことの繰り返しで、なんの障りもない日だけが好日だけではない。
 時として降って湧いたようなトラブルに見舞われることもある。
 「今日が駄目なら明日があるさ」といっても、必ず明日の朝日を見ることができる保証はありません。
 好し悪しの出来事が起きても今日という一日は今日だけなのです。
 この一日を全身全霊で生きることができれば、日日是好日になるというお話しです。

寺報189号から転載